始業式の朝は春、という季節に相応しいような青空だった。
いつものように始業ギリギリに教室に駆け込んで、自分の席を目で追って―固まった。
隣の席で騒いでいるのは藤代誠二、我が校サッカー部始まって以来のエースストライカーである。
ついてないなあと思いながら腰を下ろすと、こちらを振り返った彼と目があってしまった。


「あ!おはよー!っつか俺の隣?」
「うん、そうだけど。」

なぜか満面の笑顔で私の様子を窺っている彼を見ているうちに、ふと我に返った。
なんで藤代誠二が私の名前、知ってんの?

「なんで私の名前、」
「こないだ答辞読んでたじゃん!俺めっちゃ聞いてたし!」
「あー、うん。」

だろ?すげーかっこよかった!」
「え?」
「俺あんな文書けないし。よろしくな、!」


よろしく、と言いかける前に彼はくるっと背中を向けてしまった。
さっきのセリフが脳裏をよぎる。


(よろしくな、!)


その瞬間、太陽のように輝く笑顔と陽気な声がぐいっと私の心の中に入ってくるのを感じた。
とくん、と少しだけ早くなった鼓動を悟られないようにゆっくりと腰を下ろす。



私の新学期はきっと幸せなスタートだろう。
理由なんかわからないけど、




った